【決定版】アメリカの医療保険で抑えるポイント!

おそらくアメリカに移住する日本人が直面する問題の中でも、かなり戸惑い・悩まされるのがアメリカの医療保険ではないでしょうか。

正直、この問題については共通した答えはないと思います。なぜなら、ケース・バイ・ケースだからです。

私もこれまで、誰かに相談するたびそう言われて、じゃぁどうすればいいんだ!とずっと悩まされてきましたが、1年と7ヶ月住むうちになんとなく抑えるべきポイントみたいなものがようやくわかってきました

結論だけ書いてしまうと

  • 自分と同じ立場の人と同じ保険に入る
  • 病院に行く前に、診察内容(例えば、定期検診なのかそうでないのか)が保険の対象かどうかを保険会社に問い合わせて確認する
  • 病院に行く前に、その病院とそこで担当する医師がネットワーク内か保険会社に問い合わせて確認する
  • 病院に行く前に、その病院が外部医療機関を用いる場合(例えば、精密検査など)は、その医療機関の名前と担当医師の名前を教えてもらい、それらがネットワーク内か保険会社に問い合わせて確認する
  • 病院に行く前に、何にいくら請求されるのか、かかる費用を病院に教えてもらう。
  • (一番大事かもしれない。)そもそも病院に行かない

です。

それぞれについて詳しくは下に書きました。

アメリカでは、医療費は1ヶ月後とか、かなり後から請求され、それまで確定した金額はわかりません。

移住当初は、請求金額に驚いて、病院に問い合わせるも、保険会社に聞いてと言われ、保険会社に問い合わせるも、病院に聞いてと言われ、たらい回しにされて終わることが何度もありました。

病院が請求金額を保険会社に提示して、そこで病院と保険会社間で交渉が行われて、最終金額が確定するというプロセスのようですが、そもそも病院が提示する金額は正しいのか、保険会社の交渉は正しいのか、これらを確認する術は私達にはありません。

こんな理不尽な世界で生き残る方法は、2つしかないと思います。

上でも書きましたが、そもそも病院に行かないか、それでも病院に行く必要がある場合は、できる限り保険でカバーされるように病院や医師を選択することだと思います。

以下では、上にまとめたポイントについて、それぞれ詳しく書いて行きたいと思います。

どのプランに入るのがいいのか?

我が家では夫の会社が提供している保険で、アメリカの保険会社連合のBlue Cross Blue Shield傘下にあるAnthemという保険会社のPPO+HSAプランに加入しています。これに加えて、歯と眼はそれぞれ個別の保険に加入しています。

HSA(税が優遇される医療用貯蓄口座)について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

なぜこのプランにしたかと言うと、会社の人の多くがこのプランに入っていたからというのが率直な答えです。ネットで調べても、書いてる人が置かれている状況はそれぞれ異なるし、会社から渡された保険の説明書は200ページでもちろん全て英語。

調べれば調べるほど訳がわからなくなり、結局夫の会社の人の多くが入っているのと同じプランを選択し、結果それでよかったと今のところは思っています。

アメリカの保険料は高いのか?安いのか?

夫と私の二人分で、上記の3つの保険に月々およそ2万円支払っています。この金額は、日本と比べて高いのか、安いのかと言われたら、保険料については、確実にアメリカの方が安いです。夫婦共働きであれば、更にお得です。なぜなら、PPO+HSAプランの料金は、働いている夫の分は無料で、扶養家族である私の分だけの支払いでよいからです。(歯と眼はそれぞれ料金が発生します。)

更に、会社から毎年、HSAに16万円振り込まれます(この額は会社やプランによっておそらく異なります)。

更に、アメリカの保険料は定額で、日本のように収入に応じて金額が変わることはありません。

とはいえ、アメリカの医療費はとても高額なので、例え日本より保険料が安い場合も、病院に行く回数が多ければあっという間にその差分を上回る額を負担することになります。一方、日本は医療費が安いため、病院に行く回数も多くなりがちで、塵も積もればで結果高額になっている場合もあるかと思います。

ですので、アメリカの保険料が日本と比べて高いのか安いのかは、保険料はアメリカの方が安く、保険料と医療費を合わせた総額については、これに加えて病院に行く回数に応じて変わってきます。

医療費を抑える方法は?

アメリカの医療費は驚くほど高額です。しかもその金額の決まるプロセスがとても不明瞭です。

例を挙げるとキリがありませんが、以前病院に行き、体温と血圧を測り、担当医師と少しお話しただけで160ドルほど取られました。また他にも、夫が眼の不調を訴え、眼底検査をしただけで800ドルほど請求されました。これにはどうしても納得することができず、病院にクレームをいれたら400ドルに減額されました(なぜ?)。ちなみにこのケース以降、何度かクレームをいれましたが、減額されることはありませんでした。

こういったことが続き、病院に行く度に不快な思いをし、医師に対しても不信感を抱くようになりました。そんな時、決定打となったのが、よく診てもらっている医師に、医療費が高すぎると言ったところ、「deductibleがあるでしょう」と一蹴されたことでした。保険のプランやdeductibleなどについては、また別の記事で書きたいと思いますが、deductibleというのは自己負担額で、保険のプランによっても異なりますが、この額までは自分で払い、その額を超えたところから保険でカバーされるというものです。

つまり、この医師は、deductibleを超えた額については私達は保険で守られるのだから、高額請求しても問題ないと思っているんだな、と思ってしまいました。それまでは、理不尽な請求額に対して憤るだけでしたが、この一件から、自分の身は自分で守らなければいけないんだ、と強く自覚するようになりました。

前置きが長くなりましたが、ではどうやって医療費を抑えるか?

その答えは上に書いた最初の3点が基本的な考え方になるかと思います。

  • 病院に行く前に、診察内容(例えば、定期検診なのかそうでないのか)が保険の対象かどうかを保険会社に問い合わせて確認する
  • 病院に行く前に、その病院とそこで担当する医師がネットワーク内か保険会社に問い合わせて確認する
  • 病院に行く前に、その病院が外部医療機関を用いる場合(例えば、精密検査など)は、その医療機関の名前と担当医師の名前を教えてもらい、それらがネットワーク内か保険会社に問い合わせて確認する

保険の見方は2つあると思っています。診察内容が対象かどうか、また、病院・医師がネットワーク内かどうか、です。

保険の各種プランには、年に1回の定期検診は無料、インフルエンザワクチンは無料、オンライン診療は対象外、などなど、診察内容に応じて対象かどうか、さらには対象の場合はどのくらいカバーされるのかが決まっています。

まずは病院にかかる前に、自分が行く理由は、対象なのかそうでないのかを確認する必要があります。分からない場合は、保険会社に電話しましょう。私も初めは控えめでしたが、今では分からないことがあると、すぐ電話してとことん確認しています。

次に、保険の各種プランでは、保険会社が契約するネットワークに所属する医療機関・医師であるかそうでないかで、カバーのされ方がガラリと変わります。

まずは病院にかかる前に、その病院と担当医師がネットワーク内かどうかを確認する必要があります。こちらも、分からない場合は、保険会社に電話しましょう。

ここで面倒なのが、アメリカの医療はとても細分化していて、専門性がますと外部の医療機関・医師を使うこともよくあるのです。その場合、どの医療機関・医師を使うつもりか、担当医師に書き出してもらい、それらがネットワーク内であることを確認する必要があります。

以前、どなたかのアメリカでの出産ブログを読んでいた時に衝撃的だったのが、出産場所の医療機関も担当医師もネットワーク内であったのに、急遽麻酔を打つことになり、なんとその麻酔を担当した医師がネットワーク外であったために、後に高額請求されたというのです。

アメリカの医療は、搾り取れるだけ搾り取ってきます。身を守るためには、この保険の2つの見方を頭に入れながら、対応してくことが肝要だと思います

 

また加えて、上に書いた4点目もできたら確認しましょう。

  • 病院に行く前に、何にいくら請求されるのか、かかる費用を病院に教えてもらう。

以前、赤ちゃんの超音波検査を受けた時に、その結果を医師から伝えてもらったのですが、全く大したことを言われたわけでもないのに、病院側から500ドルも請求されました。産婦人科の先生経由で結果を聞くこともできたので、事前に知っていたら、このステップは省けたのではないかと思っています。更に、後で知りましたが、医師との会話時間で請求金額が変わるそうで、このステップを省けなかったとしても、事前に知っていたら、余計な会話はせずに、さっさと切り上げていたと思います。

日本人は病院に行き過ぎ?

最後に、最もシンプルで、最も大事かもしれない医療費の抑え方についてお話したいと思います。

それは、上にも書きましたが、そもそも病院に行かないということです。

もちろん、必要な時には行くべきですが、日本の感覚で行ってしまうと、どんどん出費がかさんでしまいます。

最近、とても印象的だったのが、アメリカ生まれアメリカ育ちの日系アメリカ人のYoutuberが、とある動画の中で、「最後にいつ病院に行ったのか思い出せない」と言っていたのです。これには頭をガツンとやられました。医療費高いし、なるべく病院に行かないようにしようとはそれまでも思っていたのですが、現地の人のそれは、レベルが違うんだと思いました。

もちろん、持病を持っているのかそうでないのかや、もともと生まれ持った体の健康さにもよるかとは思いますが、こういう人もいると知ってからは、病院に行くことがより減ったと思います。

そういったマインドに少しずつ変わってきてから、日本にいた時のことを思い返すと、逆に日本では病院に行き過ぎていたような気がしてきます。

アメリカも極端ですが、日本もある意味極端なのかもしれません。

この中間のどこかに、医療保険制度の理想的な姿があるのかもしれません。

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まり
アメリカで2人の男の子を出産後、本帰国した30代。帰国後は4匹のコリーと子育て中。アメリカ・日本での妊娠・出産にまつわる情報を発信中。 好きなものは、犬・ミステリー小説・タイムトラベルもの。